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村上ちよの「5つの種」

若者が帰りたくなる、自分たちの手で仕事と暮らしをDIYできる香美市へ。

01
オープンな議会若者の参加

地域とつながる!ひらかれた議会づくり

決まったことの報告よりも、事前の対話を大切に。

行政の言葉を、みんなにわかる言葉に。みんなの思いを、行政に届く言葉に。

STORY

「えっ、そんなこと聞いてないよ!」

ニュースを見ていて、そんなふうに思ったことはありませんか? 例えば、急に決まったルールや、よくわからない新しい制度、思いがけない施設の建設などです。

「大事なことなら、もっと早く教えてほしい!」と思いますよね。でも、知らなかったのは、あなたのせいではないんです。

大事なことを分かりやすく伝えたり、みんなの意見を聞いたりすることが、まだうまくできていないのです。

現場と議会をつなぐ「橋渡し役」

地域で何か大切なことが決まるとき、まずはそのことで困っている人や、関係する人たちにしっかりと内容を伝え、その人たちの声を議会に届ける人が必要です。

みんなの生の声を聞かずに、数字や見た目のわかりやすさだけで判断してしまうと、本当にいいものにはなりません。

私は、現場で直接声を聞き、そこからみんなにとってよりよい解決策を一緒に探していく。そんな「橋渡し役」を目指しています。

ACTION

具体的に、やりたいこと

  1. A

    議会を、もっと身近に。〜「まずは知る」ことから始めよう〜

    議会は、そもそも何をしているのか、誰が何を決めているのか。市議会の仕組みや、議案が決まるまでの流れを、政治に詳しくない人にも分かる言葉で伝えます。「分からないのが普通。だから、こちらから分かるようにする」。そんな議会への入口をつくります。

    + 実施イメージを見る
    • —ホームページに「はじめての香美市議会」というページをつくり、市長と議会の違いや、議案が決まるまでの流れを図解でわかりやすく説明する。高齢の方など、ホームページを見る機会が少ない人にも届くよう、紙でも分かりやすく伝える。
    • —議案が決まるまでの流れを見える化する
    • —本会議や委員会の中継や録画を、より見やすく、探しやすくする(委員会は、まず中継と録画の実現から取り組みます)
  2. B

    決まる前に、わかりやすい言葉で届ける

    行政の資料や議案をそのまま伝えるのではなく、みんなの暮らしの言葉に「翻訳」して、決まる前に届けます。「決まってから知る」のではなく、「決まる前に知って、一緒に考えられる」状態をつくります。

    + 実施イメージを見る
    • —「3分でわかる議案」など、短い解説動画や図解をつくる(議会を全部見なくても、まず要点を知ることができるようにする)
    • —子育て世代、高齢者、事業者など、必要な人に情報が届くよう、紙やホームページ、SNSなど、いろんなの方法で届ける
    • —発信した後も、議会でどう話し合われ、どうなったのかを報告する
  3. C

    「本屋の出前」を、議会への入り口に

    地域のいろんな場所へ「本屋の出前」に出かけ、日常の中で、市のことについて気軽に知り、話せる場をつくります。本を選んだり、人と話したりするいつもの時間の中に、議会への入り口をつくります。

    + 実施イメージを見る
    • —事前に日時と場所をお知らせし、時には山あいの集落まで足を運ぶ
    • —本屋のそばに、直近の議会で話し合われた大事な議案の「わかりやすい翻訳」を置いておく
    • —「議会に聞いてみたいこと」などを、日常会話の中で自然に受け取る
    • —いただいた声は、議会での質問や提案につなげ、次回の「本屋の出前」で、その後どうなったかを報告する
  4. D

    「意見がいえる」ハードルを下げる

    「意見を言いたいけれど、どうすればいいか分からない」という人が、もっと気軽に声を届けられるようにします。パブリックコメントなど既存の制度も含め、意見を届ける方法を分かりやすく案内し、届いた声がどうなったのかまで伝えます。

    + 実施イメージを見る
    • —パブリックコメント(市の計画に意見を出す制度)の出し方などを、わかりやすく解説する
    • —「意見を言いたいけど、どこにどう伝えればいいの?」という人にも分かるように、今ある意見の届け方を分かりやすく案内する
    • —「うずまき舎」をはじめ、地域の身近な場所で、小さな対話の場をつくる
    • —寄せられた意見が、議会でどう扱われ、どうなったのかを報告する

NOTE

パブリックコメント:市が計画や条例を決める前に、みんなから意見を募る仕組みです。

本屋の出前:地域のいろんな場所へ、うずまき舎(本屋)出かけていく活動です。

議案:市議会で「こうしましょう」と提案される案のことです。市長が出すものと、議員が出すものがあります。

委員会:議案を詳しく審査する、少人数の議員による会議。本会議の前にここで議論されます。

本会議:すべての議員が集まって、最終的に賛成か反対かを決める会議です。ここで議案が成立するかどうかが決まります。

02
補助制度を使いやすく

地域に根ざした、多様な農業をサポート

大規模化だけが答えじゃない。

山の棚田は、米をつくるだけの場所じゃない。水をため、流し、土地を守り、生きものを育て、地域の暮らしを支える仕組みがあります。

STORY

「効率」だけでは見えない、山の農地の価値

私が暮らしているのは、中山間の中でも山寄りの集落。農業者ではありませんが、畑を借りて自家用の野菜を育てています。周りには小さな棚田も多く、斜面地なので田畑を大きくすることは難しい場所です。

農業を産業としてだけ考えるなら、「こんな効率の悪い地域は切り捨ててしまえ」ということになるのでしょう。でも、ほんとうにそれでいいのでしょうか?

かつて山間の土地を開拓した人々は、土地をただ「作物をつくる場所」として使ったのではありません。

棚田や水路、山、集落をつなぎ、水を循環させながら、暮らしそのものを支える仕組みをつくりました。

一枚一枚の田んぼが水を受け止め、ゆっくりと下へ流す。水路がそれをつなぎ、田んぼや山が水を蓄える。そこに生きものが暮らし、作物が育つ。

農地は、食べものをつくるだけではありません。水を蓄え、洪水を和らげ、生きもののすみかをつくり、地域の環境を守る。農業と暮らしと自然が、ひとつの仕組みとしてつながっています。

数字だけで見れば「効率が悪い」場所でも、ひとたび失われれば取り戻すのが難しい、大切な地域の財産なのです。

制度はある。でも、地域で動かす人が足りない

香美市にも、こうした農地や地域の共同活動を支える仕組みがあります。「中山間地域等直接支払交付金」や「多面的機能支払交付金」です。

たとえば、草刈りや水路の泥上げ、農道の維持など、地域で農地を守る活動を支えることができます。

けれど、制度があることと、それを地域で使い続けられることは別の話です。

申請書をつくる。住民に説明する。土地を持っている人に声をかける。市役所と連絡を取る。活動の予定をまとめる。農地を守るためには、農作業以外にもたくさんの仕事があります。

こうした役割を担う人の負担が大きくなれば、制度を十分に活用できなかったり、地域の共同活動を続けること自体が難しくなったりします。

一方で、地域にはさまざまな経験や得意なことを持った人がいます。農作業は得意ではなくても、書類をつくったり、人と話したり、情報を整理したりすることが得意な人もいます。

私は山間に住んで15年、そんな場面を折に触れて見てきました。

だから、農業を「農家だけの仕事」にしない。それぞれの人が、それぞれの得意なことで地域の農地を支える。そんな仕組みをつくりたいのです。

ACTION

具体的に、やりたいこと

  1. A

    補助制度を、もっと「使いやすく」

    今ある補助制度が地域でより活用されるよう、現場の困りごとを把握し、使いやすくする方法を考えます。

    + 実施イメージを見る
    • —補助制度を利用している地域や、利用を検討している地域から、申請や書類作成、活動の進め方などについて困っていることを聞く
    • —制度の説明を、制度の言葉のままではなく、地域の人にも分かりやすく伝える
    • —現場の困りごとを整理し、必要に応じて市の制度や運用の改善につなげる
  2. B

    「地域ささえ手」を地域に

    農地を守る仕事は、草刈りや農作業だけではありません。申請書をつくる、住民に説明する、市役所と連絡を取る、地域の予定をまとめる。そんな仕事を地域の中で担う「地域ささえ手」をつくり、きちんと報酬を得られる仕組みを検討します。

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    • —地域の共同活動を支える仕事を整理する
    • —地域に住む人や、近隣に住みながら実家・農地を管理している人など、それぞれの経験や得意なことを活かして担ってもらう
    • —現在の補助制度など、既存の仕組みでどこまで地域を支える仕事を生み出せるのかを検討する
    • —ボランティアだけに頼らず、仕事として報酬を得られる仕組みを検討する
  3. C

    棚田の価値を、見える化して伝える

    棚田や農地が持っている、水を蓄える、生きものを育てる、景観をつくるなどの役割を見える化し、農業に関わっていない人にも分かりやすく伝えます。

    + 実施イメージを見る
    • —棚田や農地が持つさまざまな役割を、図や数字などで分かりやすく整理する
    • —地域の人自身が、自分たちが守っている農地の価値を知ることができるようにする
    • —農業に関わっていない市民にも、農地が地域の暮らしを支えていることを伝える

NOTE

中山間地域等直接支払交付金:山間部など、農業をする条件が厳しい地域で、農地を守り、農業を続けていくための国の支援制度。集落などを単位に、農地の維持管理などに取り組むことで交付金を受け取る仕組みです。

多面的機能支払交付金:農地だけでなく、水路や農道など、地域のみんなで守っているものを維持する活動を支える国の交付金。草刈りや水路の管理など、農業以外にも役立っている地域の活動を支援します。

03
プラスチックを資源に生ゴミは土に

地域で循環 ゴミ問題への取り組み

混ぜればゴミ、分ければ資源。

減らせるものは減らし、資源にできるものは活かし、土に戻せるものは土に戻す。地域で循環する仕組みを、一緒につくっていきます。

STORY

分別した「容器包装プラ」、本当に資源になっているの?

香美市では、プラマークのついた「容器包装プラスチック(容器包装プラ)」を「資源ごみ」として回収しています。食品トレイや卵パック、シャンプーの容器など、商品を入れたり包んだりしているプラスチックがこれにあたります。

汚れのとれないものは可燃ごみに入れてもかまわないのですが、「洗って干して、プラごみに出している」という人も多いですよね(私もそうしています)。

でも、せっかく分別しても、実際にどれだけが資源として活かされているのでしょうか。集めた容器包装プラは選別・圧縮され、資源化される仕組みになっていますが、自分たちが分別したものがその後どうなっているのか、私たちには見えにくいのが現状です。

香美市全体で見ると、リサイクル率(出したごみのうち、資源として再利用された割合)は令和6年度で17.6%。全国平均の19.3%と比べても、大きくかけ離れているわけではありませんが、この10年、香美市のリサイクル率は17〜18%台で大きく変わっていません。

ですが、例えば香美市とほぼ同じ人口規模の鹿児島県志布志市では、75%を超えるリサイクル率を実現しています。

「このくらいが限界」と決めつけるのではなく、生ごみの分別や資源の循環など、できる工夫を一つずつ重ねていくことで、まだ伸ばせる余地はあるはずです。

「資源化できるものは、もう少し資源として活かせないだろうか」「自分たちが分別した容器包装プラが、どこへ行って何になっているのか、もっと見えるようにできないだろうか」――これが、この政策の出発点です。

「製品プラ」は、資源にできない?

一方、おもちゃ、洗濯バサミ、バケツなど、商品そのものがプラスチックでできている「製品プラ」は、容器包装プラとは別の扱いになっています。

同じプラスチックなのに、「商品を入れたり包んだりするもの」なのか、「商品そのもの」なのかで扱いが分かれています。こうした製品プラについても、資源として活かせるものはないのでしょうか。全国では、製品プラを資源として回収する取り組みも始まっています。

でも、「リサイクルすれば正解」なの?

では、容器包装プラも製品プラも、資源化できるものは何でもリサイクルすればいいのでしょうか。実は、リサイクルをするにも、回収・運搬・洗浄・加工のためにエネルギーや費用がかかります。場合によっては、新しく作るほうが環境負荷が小さいケースさえあります。

「リサイクルすれば環境にいい」と決めつけるのではなく、「費用や環境負荷を含めて、本当に地域にとってよい方法は何か」を見極める必要があります。

減らす・使う・戻す・そして「みんなで考える」

だから私は、次のような循環をつくりたいと考えています。

・減らす(リデュース):そもそもゴミを出さない選択をする。 ・使う(リユース):繰り返し使えるものを選び、修理して使う。 ・資源にする(リサイクル):確実に資源化できるものは、地域で回収・活用する。 ・土に戻す(コンポスト):有機物は堆肥にして、地域の土と農業に還す。

そして何より、「本当にこれが一番いいの?」と、市民や子どもたちが一緒に学び、考える場をつくりたい。行政に任せて結果を待つのではなく、地域で知り、考え、できることから実践する。そんな「顔の見える循環」を香美市で広げていきましょう。

ACTION

具体的に、やりたいこと

  1. A

    資源回収拠点をつくり、地域で資源を回収・見える化する

    現状ではごみとして処理されているものの中にも、十分に資源化できていないものもあります。そうした品目についても、地域に小さな回収拠点を設け、実験的に細かく分別回収してみることで、新たな資源化の可能性が見えてくるかもしれません。 まずは、資源化のルートがあり、比較的分別がしやすいものから始め、回収量や運搬コストなどを実際に検証しながら、できることを少しずつ広げていきたいと思います。

    + 実施イメージを見る
    • —「集めたけれど結局どうなったかわからない」を防ぐため、事前に引き取り先・加工場・再利用先などの資源化ルートを確認したうえで、回収する品目を決定します。
    • —STEP 1:資源化ルートが確立された、分別しやすい品目から小規模に開始する。 STEP 2:回収量、運搬コストなどを実際に検証する。 STEP 3:運営が軌道に乗り、再資源化の実績が確認できたら対象品目を徐々に増やす。 ※「まず動かしてみて、実績を積みながら広げる」段階的アプローチを基本とします。
    • —単なる回収拠点にとどまらず、集めた資源の量や行き先を見られたり、リサイクルの仕組みについて学んだりできる、地域の小さな「資源の拠点」を考えています。市民や子どもたちが、「そもそもゴミを減らせないか」「リサイクルにかかる費用やエネルギーは妥当か」を一緒に学び、考えられる場にします。
  2. B

    「製品プラ」は、減らすことから考える

    おもちゃ、洗濯バサミ、バケツなどの「製品プラ」については、資源化できるものを増やすことだけをゴールにするのではなく、それよりも先に、「そもそもゴミを出さないために何ができるか」を考えます。

    + 実施イメージを見る
    • —「必要のないものを買わない」「長く使えるものを選ぶ」「修理して使う」といった選択が、ゴミを減らすことにつながります。市民がそうした選択をしやすくなるような情報提供や、地域でのリユース(繰り返し使う)文化を応援します。
    • —「リサイクルできるから大丈夫」ではなく、「リサイクルするためにどれだけのエネルギーや費用がかかるのか」「地域でできることは何か」を、市民や子どもたちが学ぶ機会をつくります。「行政に任せておけばいい」のではなく、「どの方法が本当に地域にとってよいのか、費用や環境負荷も含めて考える」。そんな市民一人ひとりの判断力を育てる政策にします。
    • —プラスチック以外にも、使わなくなったスマートフォンなどの小型家電には金・銀・銅などの金属が含まれており、専門の事業者が回収・資源化する仕組みがあります。「ゴミ」とひとくくりにする前に、その中に資源として価値のあるものが混ざっていないか見極めるという視点も、この学びの中に含めていきます。
  3. C

    有機資源を「土」に戻し、地域農業へつなぐ

    生ごみや剪定枝、農業残渣は、焼却すれば燃料を使い、環境負荷も大きい。でも、堆肥化すれば「土」になって、また地域の農業や園芸に役立ちます。この政策では、「家庭でできる小さな循環」と「地域で取り組む大きな循環」の両方を進めたいと考えています。

    + 実施イメージを見る
    • —香美市には、すでに生ごみ処理容器(コンポスト)の購入を助ける補助制度があります。令和8年度は予算額に達したため受付が終了しています。対象となる方法も限られているため、もっと多様なニーズに応えられる余地があります。
    • —既存のコンポスト補助制度を見直し、より多くの家庭が利用できるようにします。現在の制度に加えて、ダンボールコンポストなど電気を使わない簡易な方法や、小さな庭のある住宅でも使いやすい方法など、対象を広げられないか検討します。
    • —木製コンポストは、天然木を使って自分で組み立てるワークショップという形で取り入れている地域もあり、自分で作ることで堆肥化の仕組みにも自然と親しめます。香美市でも、DIYに詳しい地域の方と協力しながら、「作って、使って、学ぶ」ワークショップを開催できればと考えています。
    • —ワークショップでは「うまく堆肥化するコツ」「虫や臭いを防ぐ方法」も一緒に学んでいきます。さらに、堆肥化の勉強会を定期的に開き、地域同士で知見を交換する文化を育てたいと考えています。
    • —家庭の生ごみだけでなく、農業者や園芸業者から出る比較的大量の有機資源——農業残渣、剪定枝、園芸由来の有機物など——についても、地域で循環させる可能性を検討します。
    • —新たに大きな施設をつくることを前提にせず、地域にある場所を活用して、小さな集積・堆肥化拠点をつくる方法など、さまざまな可能性を検討します。香美市と規模や環境が近く、実際に取り組んでいる自治体の事例も調べながら、費用や運営方法、できた堆肥を誰が利用するのかなどを確かめ、香美市の規模に合った、無理のない循環の仕組みを探っていきます。
    • —堆肥化の目的は、ただ「有機物を処理する」ことではありません。できた堆肥を地域の農業に戻し、土を豊かにする——それが、この政策が目指す循環です。家庭の小さな循環(家庭の生ごみ→堆肥化→家庭菜園)と、地域の大きな循環(農業者の残渣→堆肥化拠点→農地の土づくり→農産物)の両輪で進めます。

NOTE

容器包装プラスチック:商品を入れたり包んだりしているプラスチックのことです。食品トレイや卵パック、シャンプーの容器などがあり、プラマークが表示されています。香美市では資源ごみとして回収しています。

製品プラスチック:タッパー、洗面器、おもちゃ、洗濯バサミ、バケツなど、商品そのものがプラスチックでできているものです。容器包装プラスチックとは別の扱いになっています。香美市では資源ごみではなく「不燃ごみ」として処分されています。

リサイクル率:出したごみのうち、資源として再利用された割合を示す指標です。香美市の令和6年度のリサイクル率は17.6%です。

3R(スリーアール):リデュース(減らす)、リユース(繰り返し使う)、リサイクル(資源として再利用する)の頭文字をとった言葉です。環境負荷を減らすために、この順番で取り組むことが大切です。

小型家電リサイクル法:スマートフォンやデジタルカメラなど、小型家電に含まれる金属などの有用な資源を回収・再利用するために作られた法律です。

04
小水力太陽熱温水器風力発電

身近な資源からはじめる、エネルギーの地産地消

自然と暮らしを守るエネルギーの道を提案します。

巨大開発よりも、地域でつくり地域でつかう。

STORY

巨大風車計画とわたしたちの暮らし|風車が立ったらどうなるの?

2024年秋、香美市と大豊町の間の山の尾根の上に、国内でも最大規模となる高さ約180メートルの風車を最大36基つくる計画があると知らされました。香北町や大豊町の中でも、風車の設置場所に近い集落や、搬入路の工事が必要な集落では事業者による説明会がひらかれたのですが、この時点で多くの市民はこのことを知りませんでした。

私が暮らす集落と隣り合う谷相集落には、山側に作業道が通る計画があり、事業者による住民説明会が開催されました。配られた資料や事業者のホームページを見て得られた情報はわずかでしたが、山の尾根筋に大きな構造物を設置するための工事で、大規模な森林伐採が行われ、設置場所や作業道をつくるために山を削ることになるということは確かなようでした。

不安に思って仲間と一緒に調べてみると、四国や高知県内で同じような風力発電の計画がたくさんあることが分かりました。そこで、実際に風車が設置された地域や、住民運動によって計画が撤回・中止された地域の人たちの話※1を聞きました。住民が問題に気づかないまま工事が進み、撤回が難しくなってしまった事例や、健康問題をめぐって訴訟が起きている事例もあり、私たちもできるだけ早い段階で行動を起こした方がいい、ということになりました。そこでできたのが、「たまもる」※2という市民団体です。

たまもるの活動を通じて、おもいがけず行政と対話する機会も増えました。署名を提出したり、市長と面談※3したり、市議会で議案※4を出してもらったりしました。

注釈

  • ※1すでに風車が設置されている愛媛県の団体、四国風車ネットワーク代表の黒田太士さんや、住民運動によって計画中止に持ち込んだ、四万十町の町議会議員の村井まなさん。四国風車ネットワークについて戻る
  • ※2森と田んぼを守る会の略称で「たまもる」。香北町の住民を主体とした市民団体で、2024年に設立されました。たまもるのホームページ戻る
  • ※32025年6月12日、嶺北香美ウィンドファーム事業をめぐる香美市長との面談の全文文字起こし。詳しくはこちら戻る
  • ※42025年12月19日、香美市議会は「『進化する自然共生文化都市』を目指す決議」を全会一致で可決しました。詳しくはこちら戻る

かけがえのない命の水源|山の神さまがいる場所

実際に、たまもるのメンバーが、計画地の水源を見に行ったり、議員の方が視察※1に行ったりしました。美良布など香北町や物部町大栃のみなさんが毎日使っている水道の水源が、風車の設置が計画されている尾根の下にあります。

人間の一生を超えた長い年月をかけて、森と土が少しずつ育んできた保水層をひとたび削り取ってしまえば、それを復旧することなど事実上不可能に近いのです。たまもるのメンバーの中には、香北町の水源について詳しい住民の方がいて、現在使われている水源と水道施設の維持管理の難しさについても話してくださいました。

注釈

  • ※1令和7年5月14日、香美市議会総務常任委員会が、嶺北香美ウィンドファーム事業の計画地周辺にある足谷水源・大栃水源(香北町・物部町大栃地区の水道水源)を視察した。詳細は香美市議会だより第78号を参照。戻る

ビジネスではない、みんなでつくって使い続けるためのエネルギー

昔、この地域のインフラのつくり方は、それを必要とする人々がお金と労力を出し合い、共同でつくり、共同で管理・運営するというものでした。それは、道路、水路、水車による精米所などです。

いま、そのやり方と同じことをするのではありません。でも、今のテクノロジーを使い、今だからこそできる、新しいエネルギーの地産地消の手立てがあるはずです。

ACTION

具体的に、やりたいこと

  1. A

    太陽の熱を、お湯に活かす|太陽熱温水器

    香美市に降り注ぐ太陽の熱を、電気に変えるのではなく、そのままお湯づくりに活かします。太陽熱温水器は昔からある仕組みですが、現在はガスや電気の給湯器と組み合わせて使えるタイプもあります。まずは実際の利用データを集め、地域で無理なく普及できる仕組みを検討します。

    + 実施イメージを見る
    • —香美市では、山間部を走ると今でも屋根の上に太陽熱温水器がある風景を見ることがあります。太陽の熱を直接お湯に利用するため、太陽光発電とは違った形で身近な自然エネルギーを活かせます。
    • —現在の太陽熱温水器には、ガスや電気の給湯器と組み合わせて使えるタイプがあります。太陽熱で十分にお湯をつくれるときは太陽熱を使い、足りないときには給湯器で補うことで、今の暮らしの便利さを保ちながら利用できます。
    • —一方で、初期費用や設置・修理を頼める事業者の確保など、普及には課題があります。また、山間部へのプロパンガスの供給を担う地域の事業者にとっても、人手不足や配送体制の維持は大きな課題です。
    • —そこで、いきなり市の予算で設備を導入するのではなく、すでに太陽熱温水器を利用している市民・事業者の協力を得て、実際の給湯データや光熱費、使い勝手などを調べます。
    • —そのうえで、地元の事業者と連携し、点検や修理を地域で引き受けられる仕組みや、初期費用を抑えるリース方式などの可能性を検討します。
    • —まずは希望する数世帯から小さく試し、実際のデータをもとに、市施設への導入や地域での普及方法を提案していきます。
  2. B

    水道施設の「もったいないエネルギー」を活かす|小水力発電

    香美市の山間部には、高低差を利用して水を届ける水道施設があります。すでに水道施設を流れている水の勢いを利用して、小さな発電ができないか調べます。大きなダムを新しくつくるのではなく、今ある水道インフラを活かし、地域で使えるエネルギーにつなげられないかを検証します。

    + 実施イメージを見る
    • —ここで考えているのは、大きな水力発電所や新しいダムをつくることではありません。すでに水道用水として使われている水の流れや既存の施設を活用できる場所を調べ、小水力発電を併設できないか検討します。
    • —まず、市が管理する水道施設の水量や落差などを調査し、発電に適した場所があるかを確認します。
    • —すでに上水道施設に小水力発電機を設置・運営している自治体の事例も調査し、設置施設の流量や運営状況、発電した電力の使い方、設備費や維持管理費などを調べ、香美市での実現可能性を具体的に検討します。
    • —条件の良い場所が見つかれば、まず1か所で小規模な実証を行い、実際の発電量、削減できる電気代、設備費・維持管理費などを確認します。
    • —発電した電力は、まず水道施設自身で使う「自家消費」や、停電時の電源としての活用を検討します。条件が整えば、近隣での利用についても検討します。
    • —さらに、発電によって生まれた収益を設備や水路の維持管理に還元し、地域の人が施設や水路の維持管理に携わることで、維持管理にかかるお金が地域の中で循環する仕組みにつなげられないか探ります。
    • —大きな発電量を目指すのではなく、地域にすでにある水とインフラを使って、小さくても地域の暮らしを支えるエネルギーをつくることを目指します。
  3. C

    嶺北香美ウィンドファーム計画を、市民が判断できるようにする

    大規模風力発電について、市が把握している情報や事業者の説明を確認し、市民のみなさんと共有しながら、必要な調査や情報公開を議会から求めていきます。

    + 実施イメージを見る
    • —計画の進捗を時系列で整理し、「今どこまで進んでいるのか」が誰でも分かるようにします。
    • —専門家による調査結果や行政資料を、専門用語のまま並べるのではなく、市民が理解できるよう整理します。
    • —計画について慎重・反対の立場だけでなく、再生可能エネルギーや地域経済への効果を期待する立場の声にも耳を傾けます。

NOTE

太陽熱温水器:太陽の熱を集めて、お湯をつくる設備です。太陽光発電のように電気をつくるのではなく、太陽の熱を直接給湯に利用します。

小水力発電:河川や水路、水道施設などを流れる水の力を利用して発電する、小規模な水力発電です。ここでは特に、すでにある水道インフラを活用する方法を想定しています。

従属発電:すでに水道用水などとして利用している水の流れを利用して発電する方法です。新たに水利権を取得するのではなく、既存の水利用に従属して発電する仕組みです。

自家消費:発電した電気を、発電した場所の施設などでそのまま使うことです。電気を売るだけでなく、施設の電気代削減や停電時の電源確保につなげる考え方です。

環境影響評価(環境アセスメント):大きな工事前に、環境への影響を調べる 「4段階の審査」 のことです。 ①配慮書(計画のお知らせ)→②方法書(調査のやり方)→③準備書(調査結果)→④評価書(最終チェック)の順に進みます。 事業者が一方的に決めるのではなく、途中で住民や専門家が意見を出し、計画を見直させる仕組みになっています。風力発電の場合、この審査をパスしないと工事は始められません。

配慮書:大きな工事の最初の段階で出される『計画のお知らせ』です。 「こんな計画を考えている」「環境にこんな影響が出そう」と、事業者がまだ計画が固まる前に大まかな内容を示します。嶺北香美ウィンドファームでは2024年11月に提出され、「最大36基の風車を建てる範囲」が示されましたが、正確な設置場所は未定です。これに対して住民や自治体から意見が出され、その内容を踏まえて次の「方法書(調査のやり方)」が作られます。

方法書:大きな工事前に行う「環境影響調査」の『やり方(計画書)』のことです。 「いつ・どこで・どんな道具を使って調べるか」をあらかじめ決めて公開する書類で、これに対して住民や専門家から「もっとこう調べてほしい」といった意見を出すことができます。風力発電の場合、音の測定方法や動物の調査範囲などを決める重要な段階です。

05
デマンド交通共同売店

移動と買い物の足を守る

今ある仕組みを活かしながら、これからの移動と買い物を支える

車を運転できなくなっても、通院も、買い物も、人に会うことも。この地域で暮らし続けられる仕組みを、一緒につくりたい。

STORY

通院、買い物、友だちと会う。移動できる自由の大切さ

車を運転できなくなったら、どうする? 物部町や香北町にもかつては人口が多く、商店や映画館が並び、大栃からのバスは満員で人があふれそうだったと聞きます。しかし今は、とくに山間部から人口が減り、公共交通の便数も減って、自家用車がなければ、買い物や通院など、日常に欠かせない用事をこなすのが難しくなっている現実があります。

香美市の資料によると、65歳以上の方の運転免許保有率は58.0%に対して、免許を返納した方は年間わずか114人、対象人口のたった1.1%にとどまっています(香美市地域公共交通計画)。これは「返納したくてもできない」「返納したら生活が立ちゆかない」と感じている方が、たくさんいらっしゃることの裏返しではないでしょうか。

香美市自身が行った住民アンケートでも、「公共交通は必要」と答えた方は94.9%にのぼる一方、「将来、車が運転できなくなれば不安になると思う」という声が、香北町・物部町の複数の地区で共通して聞かれています。まだ多くの方にとって、それは「今の自分の問題」ではなく「いつか来るかもしれない不安」です。でも、その「いつか」に備える仕組みは、今から少しずつ用意しておく必要があると私は思います。

バスは走っているのに、なぜ「行けない」人がいるのか

香美市には、市営バス13路線と、3つのエリア(土佐山田・香北・物部)を回るデマンドバスがあります。「公共交通がまったくない」わけではありません。それでも「行けない」という声がやまないのは、なぜでしょうか。

香美市地域公共交通計画に記録された医療機関へのヒアリングには、こんな事例があります。物部町にお住まいの高齢の方が、朝バスで通院し、診療が終わる13時半に次のバスが間に合わず、15時半のバスまで待って帰る。月1回の通院に、丸1日かかってしまうのです。

住民の方々への聞き取りでも、「デマンドバスの停留所まで歩けない」「膝が悪くて、目的地の商店まで数百メートル歩くのがつらい」「予約は電話のみで、耳が遠いと利用しづらい」といった声が、香北町・物部町の複数の地区から出ています。つまり、香美市の課題は「バスが来ない」ことだけではなく、「バス停から先、目的地まで実際にたどり着けるか」という部分に多く表れているのです。

香美市地域公共交通計画には、デマンドバスの目的地や乗降場所を増やすことがすでに検討事項として書き込まれています。まずはこの見直しを、具体的な数値目標とともに、できるだけ早く前に進めることが、最も現実的で、効果の大きい一歩だと考えています。

たまたま通りかかる車に乗せてもらう、それ以上の方法はないか

用事があって山を下りるとき、道を歩いている方に声をかけて車に乗せることがあります。昔はよく歩いていたという方も、暑い時期などはとくに心配です。お金をいただくわけではなく、自分の目的地の近くまで乗ってもらうだけですが、スマートフォンなどが普及した今、この「たまたま通りかかる車に同乗する」という方法以上に、便利な仕組みはないものかと考えてしまいます。

住民参加型の「ライドシェア」というと、見知らぬ人同士がその場でマッチングする姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。ただ、香美市のように人口が少なく、家が広く散らばっている地域では、「今この瞬間、たまたま同じ方向へ出かける人」同士を一致させる方式は、成立しにくいという指摘があります。これは私も、その通りだと思います。

一方で、私自身が山間部で暮らしていて感じるのは、「毎週火曜日の午前中、通院のために物部から山田方面へ車で行く」というような、決まった曜日・時間に決まった方面へ出かける方が、実際には一定数いらっしゃるということです。香美市の医療機関への聞き取りでも、通院される方の居住地域や来院の時間帯には、ある程度の集中が見られます。もし、そうした「いつもの外出予定」をあらかじめ登録し、同じ方面へ行きたい方と事前につなげられれば、偶然に頼らない相乗りが成立する可能性は残っていると考えています。

ただし、これはまだ仮説です。本当に同じ曜日・同じ方面への需要がまとまっているかどうかは、香美市の手元にある資料だけでは確認できません。だからこそ、いきなり全域で始めるのではなく、まずは地域を絞った調査と、小さな実証実験から始めるべきだと考えています。

でも、それは地元のタクシーの仕事を奪うことにならないか

この政策で、ライドシェアと同じくらい大切にしたいのが、地域のタクシー事業者を守ることです。香美市内のタクシー事業者は7社。どの事業者も運転手の高齢化と人手不足に悩まされていて、市内では夜間の営業を行っている事業者がなく、一人暮らしの高齢者が夜に具合が悪くなっても、タクシーで病院に行けないことがあると、香美市自身の協議会が指摘しています。

ライドシェアを便利にしすぎれば、ただでさえ厳しい経営状況にあるタクシー事業者の仕事をさらに減らし、わずかに残る地元の事業者をいっそう減らすことになりかねません。「住民の便利」と「地元の事業者の存続」は、単純に両立するとは限らない、という現実からは目をそらさずにいたいと思います。

だから私は、ライドシェアの対象を「タクシーが構造的に対応しにくい部分」——たとえば夜間や、タクシーが採算的に手薄になりがちな山間部の特定方面——に絞り、実証実験の段階からタクシー事業者にも協議に加わっていただく進め方を考えています。山口市の「グループタクシー」のように、相乗りするほど地元タクシーがお得に使える仕組みなど、競合ではなく共存につながる工夫も、あわせて検討していきたいと思います。

そもそもガソリンの消費量を減らしたい、買い物のための移動も

今、自由に自家用車で移動できるとしても、燃料が値上がりを続けるいま、できるだけ近くで必要なものを手に入れられたほうがいい。今は小さな部品ひとつでも、通販で頼めば数日で山の上まで届くようなサービスがありますが、送料は年々上がり、いずれ今と同じようには届かなくなるはずです。

「移動手段を増やす」ことだけでなく、「そもそも遠くまで出かけなくても、必要なものが手に入る」仕組みも、あわせて考えたいと思っています。たとえば、大栃や美良布にすでにあるバスの待合所に、注文の取り次ぎや共同購入の受け渡しができる機能を少しずつ加えていく。既存の商店と協力しながら、無理のない範囲で育てていければと考えています。

また、香美市には郵便配達やスクールバス、福祉車両など、すでに地域を定期的に巡って走っている車があります。全国では、郵便局が過疎地の買い物支援の拠点になったり、路線バスが人と荷物を一緒に運ぶ「貨客混載」に取り組んだりする例が広がっています。新しく何かを大きく始めるより、すでにある「地域を回っている仕組み」に、別の役割を組み合わせられないか。まずはそこから探っていきたいと思います。

灯油など、暮らしに欠かせないものの配送についても、不安の声を聞いています。ただ、灯油の運搬には安全上の決まりもあり、「ライドシェアで運べばいい」といった単純な解決はできません。まずは、既存の燃料販売店による配送サービスがどこまで行き届いているのか、地域のみなさんの声を丁寧に確認するところから始めます。

ACTION

具体的に、やりたいこと

  1. A

    まずは、デマンドバスをもっと使いやすく

    新しい制度をつくるより先に、すでに香美市の計画に位置づけられているデマンドバスの見直しを、具体的な目標とともに前に進めます。行政・住民双方の負担が小さく、いちばん早く効果が見込める一歩です。

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    • —商業施設・病院・薬局・金融機関など、デマンドバスの乗降場所や目的地を、エリアごとに増やす協議を早めます。
    • —医療機関や商業施設の診療・営業時間と、デマンドバス・路線バスの発着時刻のミスマッチを解消するため、定期的に話し合う場をつくります。
    • —耳が遠い高齢者でも予約しやすいよう、家族や地域のサポート役が代わりに予約できるようにするなど、予約方法を広げます。
    • —見直しの進み具合(増やした目的地の数、利用者数の変化など)を、住民に分かる形で報告します。
  2. B

    タクシー事業者と一緒に、地域の足を支える

    ライドシェアの前に、まず今ある地元のタクシーを守り、活かす方法を考えます。福祉タクシー制度の拡充や、タクシー事業者が無理なく続けられる仕組みを、事業者自身と一緒に検討します。

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    • —福祉タクシー制度の助成額や対象を、利用実態に合わせて見直せないか検討します。
    • —夜間や山間部など、タクシーが対応しにくい部分を、行政としてどう補うか、事業者と一緒に話し合います。
    • —相乗りするほどお得になる「グループタクシー」のような、タクシー事業者の収入を守りながら相乗りを広げる仕組みを研究します。
    • —住民参加型の相乗りを検討する際は、必ずタクシー事業者を協議の場に加え、需要が競合しないよう役割を整理します。
  3. C

    予約型の「乗り合い」を、まずは小さく試す

    「たまたま通りかかる車に乗せてもらう」以上の仕組みが、香美市で本当に成り立つのか。いきなり全域に導入するのではなく、まずは住民の移動の実態を調べ、必要な地域に絞った小さな実証実験から始めます。

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    • —特定の地区(たとえば物部町の一部)で、住民の方がどんな曜日・時間に、どの方面へ定期的に出かけているのかを、アンケートや聞き取りで調べます。
    • —「毎週決まった方面へ行く」という予定をあらかじめ登録し、同じ方面へ行きたい方と事前につなげる仕組みを、地域を絞って3〜6か月ほど試します。
    • —運転する方には、ガソリン代などの実費や、地域電子マネー「カミカ」のポイントなど、負担になりすぎない形での還元方法を検討します。
    • —実証の結果は公開し、マッチングの成立率やタクシー利用への影響を見きわめたうえで、続けるかどうかを判断します。「導入すること」自体を最初から決めつけません。
  4. D

    買い物と物流を、地域で支える仕組みをつくる

    移動そのものを減らす工夫と、すでに地域を巡っている車や人を活かす工夫を、あわせて進めます。共同売店や郵便局・宅配など、身近な仕組みと組み合わせることを考えます。

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    • —大栃・美良布など既存のバス待合拠点で、「バス乗り場+休憩・対話の場+買い物取次拠点」を組み合わせた、住民が気軽に集える「小さな拠点」づくりを、既存商店と連携しながら段階的に進めます。
    • —郵便配達、宅配、スクールバスなど、すでに地域を定期的に巡っている車・人と、買い物支援や荷物配送を組み合わせられないか、関係する機関と相談します。
    • —路線バスなどで人と荷物を一緒に運ぶ「貨客混載」が、利用の少ない路線で活用できないか調べます。
    • —灯油など生活必需品の配送について、まず地域の実情を確認したうえで、既存の配送サービスをより使いやすくする方法を考えます。

NOTE

デマンド交通(デマンドバス):決まった時刻表で走るのではなく、利用者の予約に応じて運行する乗合バス・タクシーです。香美市では土佐山田・香北・物部の3エリアで運行しています。

自家用有償旅客運送(公共ライドシェア):バスやタクシーだけでは十分な移動手段を確保できない地域で、市町村やNPOなどが主体となり、自家用車を使って有償で人を運ぶことができる制度です。対価はガソリン代などの実費の範囲内に限られます。

交通空白地域:鉄道駅やバス停から離れていて、公共交通を使いにくい地域のことです。香美市では、人口の15.5%がこの交通空白地域に住んでいるとされています。

目的地空白:この政策独自の言い方で、「公共交通はあるのに、停留所から目的地までたどり着けない」状態を指します。バス停から商店や病院までの数百メートルが、高齢者にとって大きな壁になっていることがあります。

貨客混載:路線バスやタクシーなどで、人(旅客)と荷物(貨物)を同じ車に一緒に乗せて運ぶことです。過疎地域では一定の条件のもとで認められています。

買い物弱者(買い物難民):近くに店がない、移動手段がないなどの理由で、日常の買い物が難しくなっている方のことです。香美市の山間部でも、移動販売の縮小などにより課題になっています。